2015年春ドラマの「天皇の料理番」。
元々は実在する人物 秋山徳蔵氏をモデルにした小説「天皇の料理番」を
ドラマ化したものであることは知られていますよね。

また、ドラマについては過去に1980年の堺正章さん主演のテレビドラマと
1993年に高嶋政伸さん主演のスペシャルドラマの2回が放送されているんですよね。

しかし、実はこれらの内容を比べてみると1話目から
いきなり内容が異なっていることが判明しました。

そこで、2015年春ドラマ(以下2015年版ドラマ)を元に
史実、原作、そして1980年版ドラマとの違いを比べてみることにしました。

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2015年版ドラマでは篤蔵が禅寺から破門されるのが早すぎ!?

2015年版ドラマ「天皇の料理番」では冒頭のシーンの明治37年元旦から
いきなり禅寺を破門となり、酔いつぶれて意識のない状態で
実家に運び込まれる篤蔵の姿が描かれます。

これは歴代「天皇の料理番」の最早記録と言っていいでしょう。

まあ、史実は話の始まりをどこからにするかによって解釈が異なるので置いておくにしても
原作と1980年版ドラマではそんなにすぐには寺を破門されません。

実は、禅寺で修行中の篤蔵が警察署長の娘・八千代に
片思いするエピソードが描かれているんですよね。

ちなみにこの八千代、原作では篤蔵の兄・周太郎の晩年に深く関わっており、
かなり重要な位置づけの人物であったわけです。

ところが2015年版では八千代の存在自体がなかったことになっているんですよね。
このことから寺のエピソードは思いっきり割愛されてしまったわけです。

本当は篤蔵の養子にも紆余曲折があった!?

2015年版ドラマ「天皇の料理番」では俊子の婿として
鯖江の昆布問屋・松前屋 (高浜家) に養子として入ります。

これが1980年版ドラマでは俊子の実家は昆布問屋ではなく呉服屋です。

原作はさらに複雑で、篤蔵は2回養子になっています。
一回目は仕出し屋・八百勝。
しかし八百勝と篤蔵の実家の間に金銭トラブルが発生し、
実家に一度戻ることになります。

その後に海産物商・松前屋に養子に入ることとなります。
ちなみにこの時結婚することになるわけですが、
実は俊子ではなく別の女性・ふじが結婚相手でした。

史実では実際どうだったかというと、
確かに仕出し屋・八百勝で働いていたようなのですが
特に養子というわけではなかったように見えます。

カツレツを初めて食べたシチュエーションが全く違う!?

篤蔵が料理人を志すきっかけとなったのが洋食のカツレツです。
これは史実も含めて全ての「天皇の料理番」に共通しているわけですが、
寺の破門のタイミングと養子のエピソードが異なるため、
このシチュエーションも微妙に異なっています。

その中で似たようなシチュエーションなのが、2015年版ドラマと原作と史実です。
こちらについては養子先の仕出しの仕事中にカツレツを口にしたとあります。

しかし、1980年版ドラマだけはなんと禅寺で修行中にカツレツを食べているんですよね。
さすがに禅僧は肉はダメなんじゃないか?
というツッコミはあるわけですが、
「まだ半人前だから」という理由で普通に口にしてしまっています。

禅寺での篤蔵の素行の悪さを表す1エピソードとして描かれたということでしょうかね。

俊子との出会いが早過ぎる!?

主人公の篤蔵と共に2015年版ドラマでは重要な位置づけとなるのが、妻の俊子です。

史実でも秋山徳蔵氏は妻・俊子を深く愛しており、
ドラマでの紹介にも

どうしてこんなにも愛があふれているんだろう。

と書かれています。

ということは篤蔵と俊子との愛のエピソードはドラマ中で何度も見られるのではないかと思われます。

しかし、実は史実と原作では俊子と出会うのは大分先の話なんですよね。
具体的には徳蔵氏が妻・俊子と結婚したのはパリでの修行を終え、
宮内省大膳寮の初代司厨長に任命された後、
つまり「天皇の料理番」となった後なんです。

原作でも史実に近い内容でまだ天皇の料理番にはなっていませんが、
やはりパリでの料理修行が終わった後となっています。

どうやら、こんなに早く篤蔵と俊子が結婚するようになったのはドラマからなんですよね。
ちなみに1980年版ドラマはあえて俊子を「トシ子」としています。
どうやらそれまでの俊子のお淑やかなイメージとは異なり、
非常に勝ち気な性格に描くためにあえて名前の表記を変えたようですね。

他にも探してみると微妙な違いがあるようですが、
これだけでもそれぞれ別作品と言ってもいいんじゃないかといっていいほど
違っていますよね。

となると、原作の小説と1980年版の「天皇の料理番」も見てみたくなります。
しかし、残念ながら1980年版ドラマはビデオ化されていないんですよね。

2015年版はもちろん、1980年版もDVD化されるとありがたいのですがどうでしょうかね?