五代友厚、加野屋とあさのエピソードを紹介しましたが、
もちろんはつのエピソードも忘れてはいけません。
8週で今井家から「借りる」形で譲ってもらった和歌山の土地の証文。
はつはこのことを約一年の間、惣兵衛に言い出せずにいましたが、
ついに意を決して打ち明けます。
さて、惣兵衛の反応はどうだったでしょうか?
和歌山の土地の証文に対する惣兵衛の反応は?
あさ(波留)が九州の炭坑に立つ前日の夜、
はつ(宮崎あおい)はついに惣兵衛(柄本佑)に
和歌山の土地の証文のことを打ち明けます。
この土地で一家みんなで頑張って、
そしていつかきっとこの恩を何倍にもして返して欲しいと、
母からそう言われました。勝手に受け取ってしもて、
旦那様に申し訳ない思たんですけど・・・。
と本当に申し訳なさそうに話すはつに、惣兵衛は
申し訳ないことなんかあるもんか。
今井のお義母さんは、
わしら一家にもういっぺん前に踏み出す機会をくれはったんや。
と答えます。
惣兵衛は今井の心遣いに対して、感謝の気持ちで一杯でした。
そして、惣兵衛は証文に深く頭を下げるのです。
事実、今後この土地の証文により、
惣兵衛達は大きく前進することとなります。
はつの意地、そして菊の意地!?
惣兵衛は今まで一年近く土地の証文について言い出せなかったはつを気遣います。
自分の気持ちを害さないためにはつがためらっていたのは確かです。
しかし、それだけではないと惣兵衛は感じていました。
今まで、他人からの施しを頑なに拒んでいたはつ。
その裏にははつの強い意地と誇りによる葛藤があったのではないかと惣兵衛は思いました。
惣兵衛ははつに
おおきに、お義母さん。
ほんま、おおきに。はつもおおきに。
受け取るのはつらかったやろ。お前は優しいように見えて、
ほんまはえらい意地と誇り持ってる女やさかいな。
と言います。
それに対してはつは姑の菊(萬田久子)の誇りに比べれば
自分の誇りなぞ大したものではない、
と答えます。
そこで惣兵衛は菊の存在を思い出します。
百姓を生業(なりわい)にて、一家全員で楽しく暮らす。
そんなささやかな夢に対し、
父の栄達(辰巳琢郎)は賛成してくれるにせよ、
菊が賛成するかはかなり微妙です。
惣兵衛にとって一つの試練が訪れようとしていたのです。