ドラマ「重版出来!」の5話の原作について紹介します。

実は5/10放送の5話の内容は原作2話分です。
そのうちの一つが高田純次さんが演じる久慈社長のエピソードです。

久慈社長といえば、1話で黒木華さんが演じる黒沢心に背負い投げをされていましたね。

しかし、実はこの人、ただの変わったおじさんではなかったのです。

その壮絶すぎる過去はそのまま単行本にしても売れるのでないか?
というほど深い内容でした。

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重版出来 5話の久慈社長のエピソードは?五百旗頭の心の師匠!?


まずは火曜ドラマ「重版出来!」の久慈社長のエピソードについて紹介します。

前回4話では古館市之進(ティーチャ)の才能を掘り出すことができず、
さらには東江絹(高月彩良)を先輩編集者の安井昇(安田顕)に取られたり
と心は散々な状況でしたね。

そんな心が行き着いた先は副編集長・五百旗頭敬(オダギリジョー)のストーカーでした。

※もちろん心にストーカーの自覚はありません。

心は常に五百旗頭の行動を観察していました。
それこそ五百旗頭が何者かの視線を感じるほどでした。

そんな心のストーカー的観察眼が幸いしたのか(?)、
五百旗頭があまりにもいい人過ぎる行動をしていることに気が付きます。

実は五百旗頭の行動は社長の久慈勝(高田純次)をお手本にしていました。

そして、心は久慈のあまりにも壮絶で深い過去を知ることになります。

重版出来の原作で語られる久慈社長の半生とは?

「重版出来!」5話の原作は第1巻 第三刷の「Do The Right Thing!」。
その意味は「正しき行いをせよ!」です。

元々はアメリカの伝統的保守層が功利主義、つまり利益を優先主義に対抗した言葉で、
今ではアメリカ人が好んで使う言葉の一つです。

※功利主義は他の意味でも使われることがありますのでご注意ください。

原作ではたまたま自動販売機でジュースを買おうとした心が
おつりがあるにも関わらず、それをとらずに立ち去る久慈を見かけ
声をかけたことがきっかけで物語は展開します。

ドラマの内容と同様、久慈自身は非常に頭がよく医者を目指せるほどだったにも関わらず
高校に進学することができませんでした。

理由は久慈が物心ついたころにはすでに父親はおらず、
母親が女手一つで育てていました。

この母親が毒親で息子を進学させるつもりは全くありませんでした。
さらには久慈が中学を卒業すると同時にこの母親は姿を消します。

あまりに理不尽な現実に久慈少年は強盗にギャンブルと荒れた毎日を送ります。
そんな中、久慈は一人の老人(火野正平)に出会います。

いつものように老人に強盗を働こうとした久慈でしたが、
老人は久慈少年に対して、こんな話をします。

金はなかけど、よかこと教えちゃる。
運は貯めらるっぞ。

運はな、いいことすれば貯まり
悪いことをすればすぐ減る。

人殺しなぞ一巻の終わりだ。

ワイ博打打つやろ。
したらわかろうもん。

一生勝ち続ける博打はなか。
あったらインチキだ。

世の中はな、足し引きゼロになるごとできとる。

いいことがあれば悪いことがある。

生まれたときに持っとるもんい差があっても、
札は同じ数配られとる。

運が味方すれば何十倍にも幸福は膨れ上がる。

問題は「どこで勝ちたかか」や。

自分はどがんやりたかが、
自分の頭で考えろ。

考えて考えてゲロ吐くほど考えて、
見極めろ。
運は使いこなせ。

老人の話を聞いた久慈はかなりの衝撃を受けます。
自分にも行い一つで幸せになれる
そう考えた久慈は今までの荒れて人生を捨て、一からやり直す決心をします。

久慈は一生懸命働いてお金をため、上京します。
そして、住み込みで働きながら夜学で勉強するようになりました。

東京では自分のなまりを笑われ孤立をする久慈でしたが、
そんな久慈にも親友が一人できました。

その友人は久慈と同じく田舎から上京していました。
聞いたことのないなまりを話すその友人は久慈に一冊の詩集を送ります。

それは宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」でした。

久慈は宮沢賢治の詩集を読むと感動の涙を流します。

ただ、文字が並んでいるだけなのに
なぜ俺は泣くのだろう。

なぜ心に沁みるのだろう。

実はその詩集を出版したのが現在久慈が社長を務める興都館でした。

その後、久慈は興都館に入社し、現在の社長の地位にまで上り詰めることになります。

重版出来の原作の久慈社長のエピソードがすごすぎる!?

ここまでだと「単なる久慈社長のサクセスストーリー」で終わってしまうわけですが、
実は久慈の話はこれだけではありません。

確かにここまでの話と今の久慈(五百旗頭)のいい人過ぎる行動とを結び付けるにはちょっと弱いですよね。

実は久慈自身、老人の言っていた
人生が足し引きゼロになる
という言葉を実感する出来事を体験します。

それはまだ久慈が興都館の編集として働いていたときのことでした。
その日の久慈は妙にツイていました。

久慈が会議で選んだ無名のミステリーは大ヒットを飾り、
親しい友人とで囲んだ麻雀で久慈はなんと九蓮宝燈の役満(最高役)で上がります。

九蓮宝燈は
上がったものはすべての運を果たし死ぬ
と呼ばれるほど成立する確率が非常に低い究極の役満です。

さすがの久慈もこれには手の震えが止まりませんでした。

しかし、久慈が家路につくと衝撃の出来事が起きていました。
何と自宅が近隣の火災に巻き込まれ全焼してしまっていたのです。

幸い家族は全員無事でしたが、久慈にとってはまさに昼の運が
そのまま反動でやってきたことを象徴する出来事でした。

この出来事で久慈がある決意をします。
それはすべての運をヒット本につぎ込むことでした。

久慈は酒もタバコもギャンブルもやめます。
そして家も車はすべて売り払い、家も借家にしてしまいます。

さらにはオフの時間にはボランティアに精を出す、という徹底ぶりです。
久慈はどんな小さな運でもコツコツ貯めようとしていたわけです。

そこまで久慈が仕事にすべてをかけるには理由がありました。

久慈は心に
本が私を人間にしてくれた
と語ります。

つまりは久慈の行動は本に対する恩返しだったわけです。

心はあまりに深すぎる久慈の話に感動し、
早速編集長の和田に漫画にするように直談判します。

ちなみに漫画家は「バガボンド」の井上雄彦氏と決めていました。

とはいっても、多忙な井上先生にお願いするのはかなり厳しいでしょう。
当然、心の提案はあっさり却下されることになります。

おまけ:久慈の運が暴発!?どのように切り抜けた?

久慈としては運のすべてを本にかけたいわけですが、
当然意に反して変なところで運を使ってしまうということもありますよね。

ここではそんな久慈の運の暴発について紹介したいと思います。

ある日久慈は街頭アンケートに答えたお礼として1枚の宝くじをもらいます。
しかし、その宝くじが何と1等3000万円が当たってしまいました。

普通なら大喜びする状況でしたが、久慈は逆に

変なところで運を使ってしまった。
出版に悪い影響がでなければよいが。

と不安な気持ちになります。

かといって捨てるわけでもいきません。
そんなことをすればバチが当たると考えたわけです。

そんな時、久慈は娘夫婦と一緒にヤギ牧場に行く予定があることを思い出します。
なんと久慈は牧場のヤギにその宝くじを食べさせました。

まあ、考えようによってはヤギによいことをしたともいえるこの行動。

久慈は
これで再び重版出来できる
と一安心するのでした。

まあ、ここまで見ると久慈社長のエピソードは非常に深い話なんですよね。

ドラマ「重版出来!」で原作の内容がどこまで再現されるのか非常に楽しみです。